2014年10月27日

岩手 御所野遺跡・世界遺産登録推進シンポジウム、報告記。


岩手県一戸町・御所野遺跡に行ってきました。
岩手県と言っても、お買い物は八戸(はちのへ)に行くという地域ですから、ほとんど青森境です。
御所野遺跡は、東北そして北海道の縄文遺跡群と連携し、世界遺産の登録を目指しています。今回はそのためのシンポジウム&コンサート。縄文遺跡群世界遺産登録推進シンポジウム「縄文人のくらしと水」に出演するための初訪問でした。



御所野縄文博物館。このように世界遺産登録に向けた気運が盛り上がっています。



自然と調和したデザインの建物です。縄文文化を発信する場所のコンセプトとして自然ですし、いいですね。



あっ!長和町黒耀石体験ミュージアムの大竹幸恵さんです♪私の存在を様々な博物館や考古学関係者に伝えてくださっています。今回のご縁も大竹さんのおかげさまです。
で、実はここは博物館入り口ではなく「きききの吊り橋」。博物館に行くための通路が吊り橋になっています。



吊り橋から見下ろすと・・・ボランティアのみなさんが作られている水場があります。縄文人にとって水場は大切です。その辺をいろいろと復元する試み、素晴らしいです。



広ろ~~~い。
復元集落。看板もなく、現代の人工物が目に入らず
思わず縄文時代にタイムスリップしてしまいました。
プロジェクションマッピングの映像を取り入れた、古代の人の心に感じてふれることのできる縄文考古博物館のクオリティもそうですが、遺跡公園の保存のしかた、現代的なものが何一つない縄文元風景に大感動!



シナノキが水に晒されたあと、干されています。
徹底的な実証実験。石斧で木を切り、皮をはぎ、その皮を水にさらし、乾かし、よって縄をつくる…など、熱心なボランティアさんたちの手により実際にやってみることに力を入れています。焼けた土屋根住居跡から徹底検証。縄文住居の作られ方をひとつひとつ地元のボランティアのみなさんと実際に、遺跡まわりの森から木を石斧で切り出すところから0から建てて、何度も実験し、遺跡と照らし合わせ、現在のような竪穴住居の復元となったそうです。地元の人の力、博物館のみなさんの力が実作業でも、まさにひとつになった形でこだわり抜かれて作られています。みんなの想いがこもっているチカラのある場です。



復元住居およびその向こうにはマツリ場も。



一輪の花の命も尊いものと感じられるような空間。



おっと。復元住居からモクモクと煙のようなものが?



やっぱり煙です。



なんと復元住居の中で、火が焚かれています。
このように火の煙で、虫に食われず、様々な理由で住居が長持ちするそう。これもボランティアさんが毎朝行っているお仕事だそうです。



その向こうにぼんやり見えるのが博物館。完全に自然と調和しています。



御所野遺跡を支えるグループがたくさんあります。
遺跡案内をする“御所野遺跡を支える会”さん、ふるさとの歴史を知り遺跡の保存に協力する小学3~6年の“御所野愛護少年団”さん、清掃活動、郷土料理をつくったり発掘をする“発掘友の会”さん、御所野遺跡オープン前に文化財関係者が中心となって結成した“自然と歴史の会”さん、そして地元の一戸高校の学生さんが結成してる“華一”さん。クラス対抗で縄文時代をイメージしたオリジナル踊りを創作する『華一クラス対抗コンテスト』があるなんて!
地元のみなさん、遺跡を大事に思い、誇りにし、ここが大好きで集ってる。とってもステキです(*^^*) 
みなさん、生き生きと誇りを持って、生きがいにされているそうです。こういう生きた知恵こそ、未来に残すべき遺産。遺跡や遺物の価値はこうして「心の価値」に変換されて、発信されています。



さて、10月19日のシンポジウムのご報告。
縄文遺跡群世界遺産登録推進シンポジウム「縄文人のくらしと水」



高田館長さんのご挨拶から
はじまり、はじまり~~。



シンポジウムのポスター。



会場内の装飾も、世界遺産登録への熱い思いが伝わります。



私のコンサート。
たっぷり歌わせていただきました。



研究者のみなさんの発表。
●菅野紀子さん
『縄文ムラでの水の利用-御所野遺跡の例から-』
●佐々木由香さん
『植物と水の利用-多角的な植物利用に学ぶ縄文人の知恵―』
●村上由美子さん
『木と水の利用―適材適所の木材利用』
●大竹幸恵さん
『石と水の利用―自然と向き合う生活の知恵―』



我らが黒耀石のふるさと・大竹幸恵さんの発表!



パネルトーク。
コーディネーターを嘉田由紀子さん(元滋賀県知事)が務め、先の発表をされた研究者のみなさんも含めて全員女性のパネルディスカッションとなりました。



御所野遺跡の世界遺産運動のポスター。



岩手県の世界遺産登録運動のポスター。



東北と北海道の縄文遺跡群の世界遺産登録運動のポスター。みんながひとつの目的に向かうコンセプトワークが素晴らしい。



東北、北海道の遺跡群が複数で世界遺産登録を目指しています。御所野遺跡はその中でも中心的な役割を担っていました。



さいごに縄文仮装ダンスコンテストのポスター。
なんとまぁ、わかりやすい!
遺跡を活用してのクラスマッチ・仮装ダンス版とでも行ったらいいでしょうか。遺跡や遺物の価値を、心の価値に変換するひとつの方法として素晴らしいですね。子供たちに文化遺産の価値が引き継がれる仕組みづくりこそ・・・世界遺産にふさわしい取り組みなんじゃないかと認識させられました。

まとめになりますが、
文化遺産の中身は、遺跡や遺物などの先人たちが残してくれた価値をどうやって現代の人や子供達に向けた『心の価値』に変換するのか?というところが文化財保護の視点や、住んでいる皆さん側からの盛り上がりという観点からも大きな課題になると思います。
その点で御所野遺跡は大変素晴らしい取り組みをされていることが、全身で感じることができました。

心やさしい縄文文化が今も息づく御所野遺跡。
ぜひ、また訪れたいふるさととなりました。今回、貴重な機会をいただけたこと、関係者のみなさまに深く感謝いたします。ありがとうございました!
  

Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 11:00Comments(0)報告記祭・祭唄・舞唄

2014年10月25日

能登 真脇遺跡・弓張月コンサート、ご報告!


海に沈んでいく太陽。
美しい夕焼け。
ここは石川県・能登に行く途中、沿岸から眺めた海〜。



能登半島のほぼ突端の遺跡「真脇遺跡」に復元された
丸く配置された木・環状木柱列(ウッドサークル)でコンサートのため、前日から能登入りしましたが、こんなステキな風景に出会えてラッキー。



9月20日、当日はとてもいいお天気で、
環状木柱列もかっこいい!



ちょっと外側からみるとこんな感じ。



今年で3年目のこのコンサート。
1年目→ http://misaki.naganoblog.jp/e1097699.html
2年目→ http://misaki.naganoblog.jp/e1346845.html
からさらに進化!「LED照明」くんが初登場。
どんな風に光が生えるのか、夜が楽しみでした♪



2013年のチラシ。



今年のチラシ。
昨年にひきつづき、ハイクオリティでイラストを描いてくれた能登のTakashiさん、ありがとうございます!



夕方。環状木柱列の影が、秋分近くの太陽に照らされて、真東方向に長ーく長ーーーく伸びていきました。
その影の方角を調べにきていた、新潟のみなさんと考古学会のドン・小林達夫さんとばったりお会いしました。遺跡って不思議。



縄文太鼓を演奏する、Littl Syndicate ドラム ・Nob (加藤ノブカズ)さんと、ギター ・hirokiさんのリハーサル。



会場設営を手伝ってくれた奈良の女学生のみなさんと♪ 
お手伝い、助かりました。



弓張月コンサート主催の真脇ウッドサークルプロジェクト・姫メン太鼓(姫栄会)のみなさんのリハーサルもばっちり!



だんだん日が暮れて……



真脇遺跡・環状木柱列へと続く400個の(!)キャンドルの道に灯りがともされました。




真脇ウッドサークルプロジェクト代表の今井和人さんの進行で、弓張月コンサート、スタート!

●姫メン太鼓&姫ヨサコイのみんなの踊り



真脇遺跡を支える地元・能登町姫 地域の若者たちの太鼓チーム「姫メン太鼓」。
その場の空気を感じ、その瞬間にみんなを巻き込みながら、ノリ、勢い、元気を感じる太鼓演奏♪♪ 



最後は、地元の子どもたちといっしょに「姫ヨサコイ」!
元気いっぱい踊ってくれました。地元のおじちゃん、おばちゃん、お父さんお母さんも大喜び。楽しい時間でした。
姫メンさんによるブログ報告記はこちらっicon01
http://ameblo.jp/yarema/entry-11928846337.html

●縄文太鼓


都内を中心に活動しているLittl Syndicateのドラム・Nob(加藤叙和)さんとギター・hirokiさんによる縄文太鼓演奏。



Nobさんのひいおじいちゃんが、能登町恋路出身の坂坦道さん(北海道・札幌羊ヶ丘のクラーク像の作者)ということで、昨年からご縁あってご一緒できてうれしいです。「縄文夜想曲」とタイトルがつきそうな、エレクトリック×古代の幻想的な世界を音で奏でてくれました。赤や青の照明の光とマッチして、すてきでした!

●葦木美咲ライブ


3年目のコンサートは、私自身の活動領域が今年からさらに”マツリウタ”にチカラを入れてきたこともあって…



「御柱」「天地開闢」「安曇野アリガトヨ」などなど。マツリウタを中心にお届けしました。照明が入ったことによって、光×音×柱の効果があがり、不思議な時空間が開いたような気がしました。
来年は「安曇野アリガトヨ」、みんなで踊れるといいなicon12
「千年の森の物語」、Nobさん・Hirokiさんとコラボできたらいいなface01

●フィナーレ


アンコールは、姫メン太鼓×縄文太鼓×葦木美咲で!
よいとしょ〜 よいとしょ〜 でんでこでん!
この、能登町姫の諏訪神社の祭り「どいやさ祭り」で使われる掛け声といっしょに、初の試み!
能登・真脇ならではの味のあるセッションとなりました♪



こうして、2014年 真脇遺跡・環状木柱列での【弓張月コンサート】は無事幕を閉じたのであります。
すこし寒い中最後までいっしょに楽しんでくださった地域のみなさん、来て下さったみなさん、出演者のみなさん、主催、サポートされた真脇ウッドサークルプロジェクトのみなさん、真脇遺跡縄文館のみなさん、高田館長さん、おつかれさまでした&ありがとうございました。

毎年、一年に一度、真脇遺跡に行って能登のみなさんにお会いしてるからでしょうか。久しぶりっという気持ちと、もうこの季節だねっという気持ちと、離れてても遠い感じがしない気持ちと、なんだか不思議なのです。きっと私の中で、真脇遺跡という場所が根付いているのかなぁ(*^_^*) 毎年温かく迎えてもらい、本当に本当にうれしいのです。
七夕では無いですが、一年に一度、織姫になったつもりで(?) 能登のみなさんにまた会えるといいなぁ♪


タイトル:H26弓張月おつかれでーす
作者:Takashi-K


ポスターを書いてくれたTakashi-Kさんが、
弓張月コンサート翌日こんな可愛いイラストを!
可愛さ100割増し、ありがとうございますicon12

それじゃぁ、また来年っicon06
  

Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 23:41Comments(1)報告記祭・祭唄・舞唄

2014年10月10日

10月12日(日)開催!茅野市5000年尖石縄文まつり併催【Chino縄文遺跡コンサート&トーク】。

御天気が少し心配ですが、
いよいよ茅野市5000年尖石縄文まつり併催
【Chino縄文遺跡コンサート&トーク】が迫りました。

10月12日(日)
午前11:00~
信州・茅野市 尖石縄文考古館敷地内
「与助尾根遺跡」にて開催です!
くわしくはこちら。
http://www.megami-music.com/event-live/chino-jomon/

雨天の場合は、同じく敷地内「研修棟(体育館)」で
行えることになりました!

出演は、八ヶ岳を拠点に活動されているフラダンスチーム・ハーラウ レレ コアエさんが、大地とつながった美しい古典フラを、なんと100名近いみなさんでご披露してくださったり…♪



(昨年の様子。とってもすてきでした!)

縄文トークは、尖石縄文考古館学芸員 小池岳史さんが、与助尾根遺跡がどうゆう場所なのか、どんな歴史があっていまに至っているのか、わかりやすくお話してくださったり…☆

葦木美咲コンサート時間には、今回特別に、安曇野のよさこいチーム・舞流のみなさんが「安曇野アリガトヨ」を踊ってくれることになりました。


遺跡にハタメク大旗、楽しみ!


縄文の遺跡の森で、心に響くお話、美しい踊り、楽しい時間、豊かなひととき。みんなで過ごせること、本当に楽しみです。



入場無料。
みなさんのご参加、おまちしています。
http://www.megami-music.com/event-live/chino-jomon/
  

Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 16:57Comments(0)お知らせ祭・祭唄・舞唄

2014年10月10日

信州エコ大賞・奨励賞をいただきました。

10月9日、信州エコ大賞・奨励賞をいただきました。
コツコツとやってきた活動を評価してもらい、光栄でした。
ありがとうございます!励みになります。






表彰内容は以下。

「太陽光発電による自然エネルギー電気を使用して環境をテーマとしたコンサート(光合成ライブ)を全国各地で開催し、環境保全の啓発活動に貢献している。音楽活動を通じた環境保全という新しい切り口を提示している点と10年間にわたる継続的な活動を評価する。」



そして、この信州エコ大賞授賞式および環境保全協会・総会をもって、会長の茅野實さん(元八十二銀行頭取)が現役引退。
長野県の経済界はじめ、政界までも牽引されてきたミスター長野県のおじいちゃん。私もいろいろなところでお世話になってきたのでちょっと寂しいですが、きっとこれからが茅野さんの人生の本番かなとも思います!なのでこれからも、今まで以上にお世話になろうと思います(笑)。



交流会では、光合成LIVEで歌わせてもらいました。
「信州エコ大賞・奨励賞」をいただけたことも嬉しいけど、それ以上に茅野さんの引退に花を添えることができたこと嬉しかったです。岡谷出身の茅野さん。「御柱」ではノリノリで掛け声をいっしょにやってくださいました。本当におつかれさまでした!



本日の地元紙・長野日報さんに載せていただきました。
ありがとうございます。



  

Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 15:45Comments(2)報告記お知らせ

2014年10月09日

小津安二郎記念・蓼科高原映画祭、ご報告。



茅野市民館・エントランス。

新星劇場前。

たくさんの来場者。

映画上映前の行列。

地元新聞の特集記事。

アナ雪レリゴ~♪を歌う美咲。

おすすめ上映作品。2つ目の窓。

小津安二郎記念・蓼科高原映画祭。無事終わりました。
映画祭の実行委員会に企画から入ったのは今年が初めてでしたが、やりがいのある充実した経験をさせてもらいました。映画「2つ目の窓」上映、茅野に女優・松田美由紀さんに来ていただきたいという二年越しの夢が実現して、とても嬉しかったです。
大勢の映画ファンのみなさまが、茅野市民館・新星劇場での開催会場に来てくださいました。

映画『アナと雪の女王』上映後、劇中歌『Let it Go~ありのままで』をみんなで歌おう♪の歌唱と音頭。
そして映画『2つ目の窓』上映後、映画の中で奄美大島のユタ神様・母イサ役をされた松田美由紀さんのトークのコーディネーターを務めさせてもらうというお役をいただきました。
ユタ神様役をされるときに心かけたこと、撮影当時のお話、一番大事にされていること、様々な貴重なお話を聞くことが出来ました。私が心に残ったのは、「女性は愛を広げて行かなくてはいけない」「人は一人で生まれて一人で死んでゆく。だから、身近な人がいるだけで有難さや幸せを感じる」「女優はパイプ役。包み隠さずに見せることではじめて扉をあけることができる。」という言葉。
俳優さんや女優さんが、何もかもさらけ出して表現してくれるから、観る側の固く閉ざした扉も開かれ、涙がでてきたり、切ない思いが消化できたり、新しい自分を発見できたり。共感共振(カタルシス)のなかで、新しいわたしが生まれてくる。映画にはすごい力があると感じました。

至らない点多々ありつつ、支えてもらいながら、なんとか山を登り降りて来れた気がします。
美由紀さん、マネージャーさん、雨の中お忙しい中ありがとうございました!そして、お世話になりましたみなさま、映画見に来てくれたみなさま、関係者のみなさま、実行委員会のみなさま、本当にありがとうございました∞

  

Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 16:13Comments(0)報告記祭・祭唄・舞唄

2014年10月01日

近づいてきました。10月5日映画『2つ目の窓』上映。


いよいよ近づいてきました。
10月4・5日に開催、小津安二郎記念・蓼科高原映画祭。
http://www.tateshinakougen.gr.jp/cinema/

私が大変感銘をうけた、河瀬直美監督作品『2つ目の窓』は
【10月5日15:30~】上映です。
カンヌ国際映画祭出品/ウラジオストク国際映画祭ではグランプリをとられました!うれしい!

奄美大島を舞台に若い二人の初恋を通しながら綴られる、生と死、いのちの生々しさ、島に息づく「生き物としての人間」の生き方。観ているうちに感性の扉が開かれていくような感覚になりました。




上映後、映画の中でユタ神様・母のイサ役を演じられた松田美由紀さん(女優)の舞台トークがあります!
奄美での撮影の舞台裏、美由紀さんの感じているいのちのつながりなどいろいろとお聞きできそうで、楽しみです。(葦木美咲は、トークのコーディネーターを務めさせてもらうことになりました。)

大変貴重な機会。
魂ふるえる素晴らしい映画なので、
ぜひ多くの方に映画&トークを、体感してほしいです。

くわしくは
http://www.tateshinakougen.gr.jp/cinema/lineup/07.html


  

Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 22:34Comments(0)お知らせ祭・祭唄・舞唄